同人誌に寄稿しました
2022/07/01
東北大学SF・推理小説研究会というサークルが、『氷礫』という機関誌を創刊しました。noteで公開していて、私も短編小説を2つ寄稿しました。
>>こちら<<から無料で読むことができます。
創作の他に本紹介記事やエッセイもあるので、よければ目次だけでも見ていただけると幸いです。
今回寄稿した2作はこんな感じの内容になっています。
「もののけのふるさと」
もともと「コロナ禍」のテーマ創作として出したものですが、他に「コロナ禍」をテーマにした創作があまり集まらず、これ単体で自由創作として掲載してもらいました。当時衝撃を受けた構造分析を大胆に(誤って?)展開してSFっぽい作品に仕上げました。私としては今まで書いた作品の中で一番SFしていると思っています。
「戦略営業部第四課」
国内では『スノウ・クラッシュ』が復刊し、世界ではNetflixで「cyberpunk edgerunners」が公開予定となるなど、世界的に再注目されているサイバーパンクに寄せた世界が舞台の短編です。サイバーパンクの多くは、パンク性を表現する一匹狼のフリーランスが主人公となりますが、この作品はザイバツの犬たちを主人公に据えています。
漢字だけ見ても性別はおろか、読みも定まらない名前をつけたくなる癖があるみたいです。私の本名の漢字表記が複数の読みができるものだからかもしれません。
学業のみならず就活や進学などが控えているため、機関誌に携わる部員のなかで私が一番暇を持て余していました。(付け加えておくと、これは文句なんかではなく、単なる状況説明です。というか、あの大学の学生は勉強に忙しくて当たり前です。むしろ私が必修の講義を取っていないのではないかと不安になるくらいです。)
そのため、なし崩し的に私が編集長的ポストに就くこととなりました。SF・推理研は以前「九龍」という部誌を出していましたが、コロナなどの影響で世代の断絶があり、『氷礫』刊行計画が持ち上がった時点で部誌制作に携わっていた人はほとんど在籍していないような状況でした。
ノウハウがほとんどない私たちに、機関誌の刊行ができるのか、自分たちでも不安でした。私以外が忙しいという状況でしたので、高い理想を押し付けても実現できない可能性が高い。(そもそもトップが青天井に理想を上げてしまっては、上下で軋轢が起きてしまう)かと言ってあまり肩の力を入れて私一人が背負い込んでも自壊しかねないという状況だったので、サボれるところはサボって、部員たちで共有する理想像もできるだけ下げていきました。原理的には公開の直前まで原稿を受け付けられるネット公開にしたのもそのためです。
その結果、そこそこ見てくれのいいものに仕上がったので、結果としては良かったのだと思います。
幸いなことに、色々な方の目に留まったようで、創刊号で初日ながら予想以上の閲覧数となりました。拡散に協力してくださった方々には感謝してもしきれません。
創刊号公開の旨を発表したツイートをリツイートやいいねしていただいた方の中にはプロとして出版業界に携わっている方もいて、自分の文章が様々な人の目に留まることに嬉しさと恐ろしさを同時に感じている次第です。
最後に、氷礫を読んでくださった大学生・大学院生の方へ。
拙作を読んでまだまだだと思った方は、東北大SF・推理研を見限るのではなく、筆で会のトップを取ってやるという気持ちで入会してくれると嬉しいです。
また、氷礫を読んで感銘を受け、こういうようなものを作りたいと思った方も、創作や書評に自身がなくても気軽に入会してくれると嬉しいです。
要するに、東北大SF・推理研に来てください。たしかインカレも大丈夫だったような気がします。